週1回のインスリン
週1回のインスリン製剤
これまで基礎インスリンを補うために用いるインスリン(時効型インスリンと言います。)は、1日1回または、1日2回注射する必要がありました。
しかし、2025年1月に「アウィクリ(インスリンイコデク)」という、週に1回の注射で使える新しいインスリンが登場しました。このおかげで、週1回の注射だけで血糖値を安定させることが期待できるようになりました。
週1回でも安全なの?
いくつかの研究で、その安全性が示されています。
- 2型糖尿病において
週1回タイプのインスリンイコデク(以下、イコデク)は、これまで使われていた1日1回注射のインスリン(ランタス、トレシーバ)と比べても、血糖値の改善具合や、1日の中で血糖値がちょうどよい範囲にある時間(TIR:Time in Rangeといいます)は変わらず、低血糖のリスクも増えませんでした。
- 1型糖尿病において
イコデクは、1日1回注射のインスリンと比べて、血糖値の改善具合や、1日の中で血糖値がちょうどよい範囲にある時間(TIR)は変わりませんでしたが、低血糖になる回数は少し増えていました。
この結果から、2型糖尿病でインスリン治療が必要な方は安全に使用できますが、1型糖尿病の方においては低血糖のリスクが上がるため、注意が必要のようです。
どのような人に向いているのでしょうか?
イコデグは、1日1回または1日2回の注射が必要だった従来のインスリンと比べて、注射の回数が大きく減ります。
そのため、注射の痛みや、毎日注射しなければいけないという心理的な負担が軽くなり、インスリン治療が初めての方にとっても始めやすい選択肢となります。
また、認知症の方や、介護を受けている高齢の方など、自分で毎日インスリンを注射するのが難しい場合にも、週1回の注射で済むことで、訪問看護が来るタイミングで打ってもらう、週末にご家族が訪問するタイミングで打ってもらうなど、在宅介護の負担軽減にもつながります。
一方で、すべての人に週1回のインスリンが適しているわけではありません。
先ほどお話ししたように、もともと血糖変動の大きい1型糖尿病や2型糖尿病でも血糖変動が大きい方は、低血糖のリスクも高いため注意が必要です。こうした方にイコデグを使う場合は、低血糖のリスクをよく評価し、慎重に導入を検討する必要があります。
また、妊娠糖尿病の方も注意が必要です。母体の低血糖は胎児にとって非常にストレスですので、低血糖リスクのあるイコデグは妊娠中の使用を避けるのが無難です。
まとめ
インスリンイコデグは週1回と注射回数が減りますので、患者様の負担を減らす画期的な注射です。ただし、低血糖のリスクが増えるなど、必ずしも全ての方に適しているわけではありません。
当院では、「どのインスリン注射が合っているか」「そもそもインスリンが必要なのか」など、一人ひとりに合った丁寧で分かりやすい診療を心がけております。
西東京市、東久留米市にお住まいの方へ。糖尿病の治療をご希望される方はもちろん、糖尿病に関して不安がる方など、一度「はたけやま内科クリニック」へご相談ください。他院からの紹介状がなくてもお受けいただけます。
参考サイト
