自宅での血糖測定(SMBG/CGM)
糖尿病の治療において、普段の血糖の状態を把握することは食事療法や運動療法、薬物療法と同じくらい大切です。
当院では従来の指先で測定するSMBG(自己血糖測定)に加え、24時間連続して血糖変動を記録できるCGM(持続血糖測定)も導入しています。
これらの機器を適切に活用することでより安全で質の高い治療へと繋がりまので、より精密な血糖管理を目指したい方はぜひ一度ご相談ください。
自宅での血糖測定とは
糖尿病の治療を円滑に進めるためには、普段の生活の中で血糖値がどのように変動するのかを知ることが重要です。
自宅での血糖測定には、大きく分けて2つの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の病態や治療内容に合わせて選択することが大切です。
SMBG(自己血糖測定)
SMBGは「Self-Monitoring of Blood Glucose」の略称で、指先に専用の細い針を刺し、少量の血液を採取して血糖値を測定する方法です。
長年、自宅での血糖測定の主流として使われてきました。
測定器は手のひらサイズで持ち運びやすく、数秒で結果が判明するため、外出先や勤務中でも手軽にチェックできるのがメリットです。
測定するタイミングは、起床時、毎食前、食後1〜2時間、就寝前など医師の指示により決定します。
インスリン治療を行っている患者さんにとっては、低血糖の有無、その時の血糖値に合わせてインスリンの投与量を調整するためなど、必要不可欠なツールです。

当院では、針の痛みが少ない最新のデバイスを選定し、操作方法についても看護師が丁寧にご説明いたします。
SMBGが保険適応となる人は下記となります。
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インスリン注射をしている人
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GLP1受容体作動薬(オゼンピック、トルリシティなど)、GLP1/GIP受容体作動薬(マンジャロなど)の注射を使用している人
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妊娠に関連した血糖異常がある人(詳しくは妊娠糖尿病ページをご覧ください。)
CGM(持続血糖測定)
CGMは「Continuous Glucose Monitoring」の略称で、皮下に装着したセンサーにより24時間にわたって連続的に血糖値を測定する仕組みです。
SMBGが「点」での測定であるのに対し、CGMは「線」で血糖変動を捉えることができます。
「FreeStyleリブレ2」「G7」などのシステムは、センサーに専用のリーダーやスマートフォンをかざすだけで、いつでも血糖値やそのトレンドを確認できます。
指を刺す回数を大幅に減らすことができるため、患者さんの負担軽減にも繋がります。
睡眠中や食後の気づきにくい血糖変動を可視化できるため、治療方針の決定に非常に役立ちます。
加えて血糖値が「上がっているのか」「下がっているのか」というトレンドが分かることは、低血糖を未然に防ぐ上でも大きな安心材料となります。
具体的には、下の図のように1日の血糖推移を確認することができます。
CGMにより患者さん自身が血糖変動をすぐに確認することができるようになりました。
そして食事や運動の血糖への影響をすぐに把握でき、インスリンの投与のタイミングや投与量を柔軟に調整できるようになりました。
アラーム機能もあるため低血糖や高血糖のリスクを事前に察知でき、安全性も飛躍的に向上しました。
CGMの測定方法
二の腕などに500円玉くらいの大きさの専用のセンサーを装着します。
センサーから無線でご自身のスマートホンや専用モニターに定期的に血糖値が送られます。
測定期間は1つのセンサーで10日〜14日間で、装着したままお風呂や水泳も可能です。
期限が過ぎたら外し、新しいセンサーを装着します。
現在、主に使用されているCGMはアボット社の「FreeStyleリブレ2」とDexcom社の「G7 CGM」です。
当院ではどちらも対応していますので、患者様に合った機器をご提案します。
それぞれの機器の外観イメージです。
「アボット FreeStyleリブレ2」
「デクスコム G7 CGM」

CGMを利用できる方
糖尿病の全ての患者様が保険適応となるわけではありません。
主にインスリンを使用している方が対象となります。
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1型糖尿病の方
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インスリンポンプ(CGMと連動している機器以外)を使用中の方
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2型糖尿病でインスリン治療をしている方
SMBGとCGMの違い
SMBGとCGMにはそれぞれ違いがあります。
CGMは皮下の「間質液」という液体の糖の濃度を測っているため、病院で測定する血糖値やSMBGで測定する血糖値とわずかな誤差が生じることがあります。
そのため、急激な変動がある時や低血糖の確認時にはSMBGを併用したりすることもあります。
人によってはCGMの値と、実際の血液検査での値が大きくずれることがありますので、その場合はSMBGを中心に使用します。
自宅での血糖測定のメリット
自宅で血糖を測ることは、単に血糖値を確認するだけではありません。
それ自体が治療の一部であり、患者さん自身の生活を改善するための強力な武器になります。
具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
生活習慣と血糖値の関連が目に見える
「この食事を食べるとこれくらい血糖が上がる」「30分歩くとここまで血糖が下がる」といった実感を数値で得ることができます。
食事の内容や順番、運動のタイミングを工夫するモチベーションに繋がり、自然と自己管理能力が高まります。
頑張った成果が数値として現れることは、治療を長く続けるための支えにもなります。
低血糖の早期発見と回避
糖尿病治療において最も注意すべきことの一つが低血糖です。
特に深夜の低血糖や、自覚症状のない無自覚性低血糖は放置すると危険です。
CGMを使用すれば低血糖が予測される段階でアラートを受け取ることができるため、重篤な状態になる前に対処が可能です。
これにより、患者さんの精神的な不安も解消され活動範囲を広げることができます。
診察の質が向上する
診察時に測定データを確認できますので、医師は「HbA1c」だけでは見えない詳細な血糖変動を把握できます。
例えばHbA1cは良くても夜間・朝方に血糖値が下がりすぎていたり、特定の時間帯だけ高くなっていたりすることがあります。
そういったHbA1cでは分からない血糖の変化を把握することで、お薬の種類や量をより緻密に調整できます。
「選定療養」制度によるCGMの利用
当院では2026年2月1日より「選定療養」制度として、「従来のインスリン注射をしていない方」「健診などで血糖異常を指摘された方」においてもCGMが利用できるようになりまし。
「FreeStyleリブレ2」、「Dexcom G7 CGM」どちらも利用いただけます。
詳しくは「FreeStyleリブレ2/G7の選定療養」のページをご覧ください。
自宅での血糖測定についてのよくある質問
Q1. 測定器は自分で購入する必要がありますか?
A1. 保険診療で測定を行う場合、測定器本体はクリニックから貸与されることが一般的です。
消耗品であるセンサーやチップ、穿刺針なども診察時に必要な分をお渡しします。
Q2. CGMのセンサーを付けていても、お風呂やプールに入っても大丈夫ですか?
A2. CGMのセンサーは耐水性があるため、装着したままの入浴やシャワー、水泳は問題ありません。
ただし、長時間のサウナや激しい運動などでセンサーが剥がれる可能性はありますので注意が必要です。
Q3. 針を刺すのは痛そうで怖いのですが?
A3. 針自体が極めて細く、痛みを感じにくい構造になっています。
また、穿刺の深さを調節することも可能です。
どうしても針が苦手な方には、CGMのような刺す回数を最小限に抑える方法を優先的に検討いたします。
Q4. インスリンを打っていないのですが、測ることはできますか?
A4. はい、可能です。インスリンを使用していない場合でも、食事療法の確認のために短期間だけCGMを使用することも有効です。
保険適用かどうかついては病状によりますが、選定療養などを活用して測定を行うことができます。
最後に
自宅での血糖測定(SMBG・CGM)を行うことは、糖尿病の治療において非常に重要な役割を果たします。
今まで見えなかったご自宅での血糖値を把握できることは、治療方針を決める上でとても重要です。
当院は西東京市西原町にある糖尿病内科・循環器内科の専門クリニックです。
駐車場も完備していますので、東久留米市にお住まの方も無理なく通院いただけます。ぜひ当院へご相談ください。
当院の糖尿病診療に関して、「当院の糖尿病診療のページ」をご覧ください。
参考サイト
