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高血圧症

当院では、循環器内科専門医が高血圧症の診療を行っています。

一人ひとりの状態に合った、高血圧症の治療方法と治療目標を考慮した治療を行っていますので、ぜひご相談ください。

高血圧症とは

高血圧症とは、血圧が高い状態が続く病気です。血圧とは、心臓が血液を全身に送り出すときに血管にかかる圧力のことを指します。

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、気づかないうちに動脈硬化を引き起こしてしまいます。

その結果、心筋梗塞・狭心症、脳梗塞・脳出血、閉塞性動脈硬化症、腎不全などに重大な病気の発症してしまいます。

 

高血圧症は早期に発見し、早期に治療を始めることが非常に重要です。

 

高血圧症の分類

高血圧症には「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2つがあります。

本態性高血圧

原因が特定できない、特定の原因がないタイプ

遺伝や生活習慣、年齢などが関係している

二次性高血圧

腎臓疾患、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群、薬剤などが原因で起こるタイプ

原因を治療すれば高血圧も改善する可能性がある

ほとんどの方は本態性高血圧症ですが、二次性高血圧かどうか確認することも非常に重要です。

 

具体的には下記に示すような方は二次性高血圧の可能性がありますので、詳しい検査が必要となります。

  • 30歳以下で高血圧症を発症した

  • 両親、兄弟姉妹に40歳以下で心臓・血管の病気をした人がいる

  • 血圧を下げる薬を3種類以上使っても血圧が下がらない

  • いびき、倦怠感、日中の眠気など睡眠時無呼吸症候群を疑う症状がある

  • 動悸、頭痛、発汗などが発作的に起こる

 

高血圧の診断と治療目標

高血圧症の診断

高血圧症の診断は、主に病院で測定する「診察室血圧」と自宅で測る「家庭血圧」の2種類で判断されます。

 

一般的に、病院での測定で上が130mmHg以上、または下が80mmHg以上の場合に診断されます。

ご自宅での測定血圧はう125/75mmHg以上が高血圧症の目安となります。

定期的な血圧測定を習慣化し、自分の平均的な数値を記録しておくことが推奨されます。

高血圧症の治療目標

血圧の目標値は年齢を問わず、診察室血圧 130/80mmHg未満、家庭血圧 125/75mmHg未満です。

ただし、やみくもに血圧を下げるのではなく、一人ひとり個別に、有害事象や副作用に注意しながら目標を決めます。

 

日本高血圧学会のガイドラインで、2025年から血圧の目標値が低くなりました。

その理由として、収縮期血圧 130mmHg未満を目標に治療すると、脳卒中や心臓病のリスクが17%下がるからです。

高血圧の治療が必要な人は国内でおよそ4300万人にのぼり、年間17万人が高血圧が原因の病気で亡くなっていると推計されています。

 

自宅での正しい血圧測定の方法

  • 朝起きてトイレに行った後、朝食を食べる前に1〜2分リラックスしてから測定する

  • リラックスして椅子に座り、腕帯(カフ)の高さがちょうど心臓の高さになるようにする

  • 時間があれば2回測定し、その平均値とする

  • 測定前にタバコ、お酒、カフェインの摂取は控える

 

高血圧症を引き起こす原因

高血圧症になる理由は、遺伝的な体質に加えて、日々の生活習慣が複雑に絡み合っています。

具体的には下記のような要因で血圧が上がってしまいます。

  • 塩分のとりすぎ

  • 肥満、体重増加

  • ストレス

  • 睡眠不足

 

高血圧症を改善するための食事療法

高血圧症の対策において、食事の内容を見直すことはとても重要かつ効果的です。

具体的なポイントをお伝えします。

 

減塩を無理なく継続して高血圧症を予防

まずは1日の塩分摂取量を「6g未満」に抑えることを目標とします。

急に味を薄くすると食事が楽しめなくなるため、調味料の使い方を工夫して満足度を維持しましょう。

  • 出汁(だし)をうまく利用する

  • レモン、お酢、スパイスなど酸味や香辛料を活用する

  • 醤油などは小皿に少量ずつ、「かける」より「つける」

 

加工食品や練り物には意外なほど塩分が含まれています。

外食の際はスープを残すといった小さな積み重ねが、大きな減塩効果を生み出します。

 

カリウムを摂取して高血圧症対策を強化

カリウムは体内の余分な塩分を排出してくれる働きがあります。

カリウムは野菜や果物、海藻類に多く含まれているため、毎食のメニューに取り入れるのが理想的です。

生野菜のサラダや蒸し料理など、水に溶け出しやすいカリウムを逃さない調理法も有効です。

 

具体的には下記の食品に多く含まれています。

  • ほうれん草、トマト、小松菜、アボカド

  • バナナ、キウイ

  • 納豆、豆腐

  • 肉、魚

ただし腎臓の病気のある方はカリウムの制限が必要な場合があるため、必ず医師に相談してください。

 

DASH食を取り入れた食事療法

DASH(ダッシュ)食とは、アメリカで考案された「高血圧を防ぐための食事法」のことで、科学的な根拠に基づいています。

単に塩分を減らすだけでなく、ミネラルや食物繊維をバランスよく摂取することで血圧をコントロールします。

摂るべき食品

控えるべき食品

果物、野菜、ナッツ類、豆類、魚類、肉(鶏肉)

チーズ、バター、脂肪の多い肉、お菓子、ファーストフード

 

この食事法は、血圧を下げるだけでなくコレステロール値の改善やダイエットにも役立ちます。

玄米や全粒粉パンなどの未精製の穀物を選ぶなど、日常の選択肢を少し変えるだけで実践できます。

 

高血圧症に効果的な運動習慣

適度な運動は高血圧症の改善に大きく貢献します。

激しい運動ではなく、長く続けられる有酸素運動などを中心に取り入れましょう。

 

有酸素運動がなぜ高血圧症に良いのか

ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、血管の内皮細胞を活性化し、血管を広げる物質の分泌を促します。

運動の効果は、具体的に「血管の柔軟性向上」「自律神経の調整」「体重管理」などが期待できます。

定期的に体を動かすことで心臓や肺の機能が高まり、ふとした時に血圧が上がりにくい体質へと変わります。

 

運動の強度は「少し息が程度で、会話ができる」くらいが理想的です。

1日合計30分以上を目安に、週に数回から始めてみるのが継続のコツです。

 

高血圧症の方が運動を始める際の注意点

血圧が非常に高い場合や病気を持っている方は、急な運動は逆に体へ負担をかけてしまう可能性があります。

自宅で血圧を測定して血圧が高め(160/100mmHg以上など)の場合や、持病をお持ちの方は医師に確認しましょう。

 

運動前の注意事項を簡単にお示しします。

  • 急な運動は血圧の急上昇を招くため準備運動をする

  • 急激な気温の変化がない環境で運動をする

  • 脱水に注意して水分補給をこまめにする

 

特に冬場は室内で足踏みや階段の上り下りなどの運動をするなど配慮が必要です。

体調が優れない日は無理をせず休むことも大切です。

 

筋力トレーニングを組み合わせて高血圧予防を

有酸素運動に加えて、軽い筋力トレーニングを組み合わせることで、基礎代謝が上がり血圧の安定に役立ちます。

ただし、息を止めて踏ん張るといった血圧が急激に上がるための筋トレは注意が必要です。

具体的にな、スクワット、ストレッチ、スロートレーニングのような運動をお勧めします。

 

もちろん呼吸を止めずにゆっくりと吐きながら力を入れるのことができる運動であれば、どんなものでも大丈夫です。

テレビを見ながらできる簡単な運動をルーティン化することで、無理なく継続しましょう。

 

高血圧症を改善するための生活環境

食事や運動以外にも、日常の何気ない生活習慣の中に高血圧症を悪化させる要因があります。

住環境や嗜好品の影響を正しく理解し、血管に優しい暮らしを目指しましょう。

 

飲酒と喫煙が高血圧症に及ぼす影響

アルコールは摂取直後は、アルコール分解酵素のアセトアルデヒドが血管を広げるため血圧が低下します。

しかし毎日飲んだり1回の飲酒量が増えると、長期的には血圧が上昇してしまいます。

1日1合(ビール500ml、日本酒180ml)までにとどめて、週1~2回の休刊日を作りましょう。

 

喫煙は主にニコチンの作用により血圧を一時的に上げるだけでなく、動脈硬化も引き起こします。

タバコを1本吸うごとに血圧は上昇し、その影響は数十分続くと言われています。

なかなか禁煙うまくいかない方は、「禁煙外来」に相談することをお勧めします。

 

入浴や気温差による高血圧のリスク

冬場の脱衣所や浴室での急激な温度変化は「ヒートショック」と呼ばれ、血圧の乱高下を引き起こします。

血圧が高い方は、温度差による体への負担を軽減するために注意が必要です

 

具体的にはこれらの対策がおすすめです。

  • 小さなヒーターなどを活用して脱衣場を暖める。

  • お湯の温度は40度以下にする。

  • 半身浴から始めてゆっくりお湯につかる。

 

お風呂から上がるときも急に立ち上がらないようにして、立ちくらみを防ぎましょう。

入浴は脱水になりやすいので、入浴前後の水分補給を忘れずに行いましょう。

 

質の高い睡眠を確保して血圧を安定させる

睡眠中はしっかりとリラックスして血圧が下がることで、心臓や血管を休ませることができます。

質の良い眠りは、血圧を下げるために非常に効果的です。

 

睡眠時無呼吸症候群などの問題があると、夜間に血圧が高いままとなり高血圧症が悪化してしまいます。

いびきが激しい・日中に強い眠気がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、一度相談することをお勧めします。

 

高血圧症の治療薬

生活習慣の改善だけでは十分に数値が下がらない場合、医師からお薬が処方されることがあります。

薬に対する正しい知識を持ち、適切に治療を続けることが将来の健康を守る鍵となります。

 

高血圧症の治療薬(降圧薬)の種類

降圧薬は血圧を無理やり下げるものではなく、血管を広げたり余分な水分を排出したりして血管を守る手助けをするイメージです。

一人ひとりの体質や他の持病に合わせて、医師が最適な種類の薬を選択します。

 

主にこれらの治療薬がよく使われます。

  • カルシウム拮抗薬:血管を広げて血圧を下げる広く使われるタイプ

  • ARB・ACE阻害薬:血圧を上げるホルモンの働きを抑える

  • 利尿薬:体内の余分な塩分と水分を尿として排出する

  • β遮断薬:心臓の収縮力や心拍数を抑える

 

薬を飲み始めたからといって、運動や減塩などの生活習慣の改善をやめていいわけではありません。

薬と生活習慣改善の両輪で取り組むことが、最も効率的かつ安全な治療法です。

 

自己判断による服薬の中止は厳禁

血圧が下がったからといって、自分の判断で薬を飲むのをやめるのは非常に危険です。

急に服薬を中止すると、血圧がリバウンドして以前より高くなったり心臓に大きな負荷がかかってしまいます。

血圧が安定しているのは薬が効いている証拠です。

 

例えば収縮期血圧が90mmHg未満になる、ふらつき・立ち眩みが多いなどあればすぐに医師に相談しましょう。

不安なことや気になることは薬剤師や主治医に率直に話し、治療方針を相談することが大切です。

 

若い人にも増えている高血圧症の現状

高血圧症は高齢者の病気と思われがちですが、最近では20歳から30歳代でも高血圧症が増加傾向にあります。

その理由と対策方法について簡単に説明します。

 

若年性高血圧症の原因と生活スタイルの変化

若い世代の高血圧症は、主に不規則な生活や偏った食生活、過度なストレスが背景にあることが多いです。

スマホやパソコンの長時間利用による運動不足や睡眠の質の低下も、無視できない要因となっています。

 

自分はまだ若いから大丈夫と思わないですください。高血圧症は早期発見・早期治療が基本です。

健康診断などで指摘された場合には、二次性高血圧症の可能性がありますので必ず医師に相談してください。

加えて生活習慣に改善の余地があるようでしたら、早めに生活習慣を改善しましょう。

 

働き盛り世代が高血圧症と向き合う工夫

仕事が忙しい時期に食事や運動を改善し、それを継続することは難しいかもしれません。

まずはできる範囲で、ゆるやかな対策から始めてみましょう。

 

具体的にはこのような対策はいかがでしょうか。

  • エスカレーターを避け、階段をつかう

  • バスや電車をひと駅前で降りて通勤する

  • 外食では麺類や丼ものを避け、野菜の多い定食にする

  • 短時間でも目を閉じてリラックスする時間を作る

 

無理をせずに、日常生活の中で継続できる仕組みを作ることが長期的な成功の秘訣です。

 

高血圧症に関するよくある質問

ここでは、高血圧症について多くの方が抱く疑問に分かりやすくお答えします。

 

高血圧症の薬をやめることできますか?

生活習慣の改善により、医師の判断のもとで薬の量を減らしたり、最終的に服用を中止したりできるケースはあります。

自己判断で中止せずに、医師と相談しながら方針を決めていくことが大切です。

血圧が高い時に避けるべき飲み物はありますか?

塩分を多く含むスポーツドリンクや、糖分の多い清涼飲料水の飲みすぎには注意が必要です。

カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンクは一時的に血圧を上昇させることがあります。

高血圧症に遺伝は関係ありますか?

はい、高血圧症には遺伝的な体質が関係していることが分かっています。

遺伝的要素があるからと諦めるのではなく、生活習慣の改善により発症を遅らせたり重症化を防いだりすることができます。

 

最後に

高血圧症は下記のようなことに注意をして、日々の意識と行動の積み重ねで確実にコントロールできる病気です。

  • 塩分を控える、野菜を摂るといった食事の基本を徹底する

  • 無理のない有酸素運動を習慣にして血管の柔軟性を維持する

  • ストレスや睡眠不足を解消して自律神経のバランスを整える

 

自覚症状がないからと放置せずに定期的な血圧測定をして、日常生活でできることから始めましょう。

高血圧症は適切な治療を継続することで、動脈硬化を防ぎ将来健康な生活を維持することができます。

 

当院は西東京市西原町にある糖尿病内科・循環器内科の専門クリニックです。

駐車場も完備していますので、東久留米にお住まいの方も無理なく通院いただけます。

血圧に関しての疑問や不安がありましたら、ぜひ当院へご相談ください。

この記事を書いている人

はたけやま内科クリニック 

院長 畠山 佳之


資格

糖尿病専門医

循環器内科専門医

内科認定医

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