運動療法と食事療法
糖尿病の予防と治療で最も重要なことは、適切な食事療法と運動療法の継続です。
このページでは誰でもすぐに取り入れられる基本的な方法を紹介します。
運動や食事以外にも糖尿病に関して気になることがありましたら、当院へご相談ください。
食事療法
糖尿病治療の三本柱の一つである食事療法は、単なる「制限」ではなく「適切な摂取」が目的です。
何をどれくらい、どのような順番で食べるかなどを意識することで、血糖値の上昇を防ぎます。
糖尿病における一日の適正エネルギー量
食べ過ぎを防ぐためには、自分に合った適正な摂取カロリーを知ることが第一歩です。
これは標準体重と、日中の活動量(身体活動強度)を掛け合わせることで算出されます。
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標準体重の計算:身長(m) × 身長(m) × 22
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活動量の目安:デスクワークなら25〜30kcal、立ち仕事なら30〜35kcal
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総エネルギー量:標準体重に活動量を掛けた数値が、一日の摂取目安となる
例えば、身長170cmで事務職の方であれば、約1800kcal前後が適正な範囲となります。
極端な食事制限、糖質制限は長続きせず反動も大きいため、栄養バランスを保ちながら量を調整しましょう。
糖尿病に効果的な食べる順番(ベジファースト)
同じ食事内容であっても、食べる順番を変えるだけで食後の血糖上昇を抑えることができます。
野菜に含まれる食物繊維が、後から入ってくる糖の吸収を緩やかにし、急激な血糖の上昇を抑えてくれます。
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野菜・きのこ・海藻:食物繊維で糖の吸収スピードを遅らせる
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たんぱく質(肉・魚・卵):消化管ホルモンの働きを促し、満腹感を得やすくする
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糖質(ご飯・パン・麺類):最後にゆっくり摂取することで、血糖の急上昇を防ぐ
完璧にこの順番で食べる必要はありません。
少しだけこの順番を意識することで、食後の血糖上昇がゆるやかになります、膵臓の負担も軽くすることが可能です。
もちろん、よく噛んでゆっくり食べることも脳に満腹サインを送るために重要です。
血糖値が高い人におすすめの低GI食
同じ炭水化物でも、血糖値が上がりやすいもの(高GI)と上がりにくいもの(低GI)があります。
あくまでイメージですが、白く精製された食材は高GI、茶色い未精製の食材は低GIです。
低GI食を意識して食べると、血糖の上昇抑えるのに効果的です。
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オススメ(低GI) |
どちらでもない(中GI) |
控えたい(高GI) |
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玄米・もち麦・十割そば |
うどん・パスタ |
白米・食パン |
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レタス・ブロッコリー・キノコ類 |
さつまいも |
にんじん・かぼちゃ・じゃがいも |
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りんご・いちご |
バナナ・桃・パイナップル |
無理に炭水化物を抜くのではなく、少しだけ「質を変える」という意識を持つことが、継続のポイントです。
血糖値を上げる間食や飲み物の注意点
お菓子やジュース、お酒は血糖コントロールを悪化させる大きな要因となります。
絶対に禁止というわけではありませんが、量やタイミングに細心の注意が必要です。
簡単に注意点と対策についてです。
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お菓子 |
砂糖と油のかたまりで血糖値を上昇させる | 100〜150kcal程度に抑えて低糖質のものを |
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ジュース |
想像以上に砂糖が多く含まれている 加えて、飲み物は満足感を得られにくい |
基本的には、水かお茶しか飲まない 飲むなら「ゼロカロリー」のものを |
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お酒 |
食欲増進作用と肝臓の糖代謝を妨げる | 休肝日をもうけて適量を楽しむ |
間食は空腹を紛らわすためのナッツやチーズ、無糖のヨーグルトなど、血糖値を上げにくいものもおすすめです。
「なんとなく食べる」習慣を見直すことで、改善につながります。
また、液体に含まれる糖は吸収が非常に速く、急激に血糖値を上げてしまうため飲み物選びには注意が必要です。
「炭酸飲料」や「微糖も含めて甘い缶コーヒー」は避け、水分補給は水やお茶をにしましょう。
運動療法
運動は血液中のブドウ糖を消費するだけでなく、インスリンの効き目を高める効果があります。
無理なハードトレーニングではなく、継続できる「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の組み合わせが理想です。
最適な有酸素運動の種類と頻度
ウォーキングや水泳などの有酸素運動は、運動中に直接糖分を燃焼させる効果があります。
週に150分以上、あるいは3回以上の頻度で行うことが、医学的にも推奨されています。
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ウォーキング:やや息が弾む程度の速さで、20〜40分程度歩く
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水中歩行:関節への負担が少なく、全身の筋肉を効率よく使える
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サイクリング:楽しみながら続けられ、下半身の大きな筋肉を刺激できる
最も血糖値が上がる「食後30分〜1時間後」に運動を始めると、食後高血糖を効果的に抑えられます。
まずは一駅分歩く、階段を使うといった日常の動作から始めてみましょう。
ウォーキングの注意点・ポイント
ウォーキングは、全身の筋肉を使いつつ酸素を効率的に取り込める、最高の有酸素運動です。
特別な準備もいらず、通勤や買い物などの日常生活の中で歩数を増やすだけでも効果が現れます。
ポイントは「少し速足で歩く」「背筋を伸ばし、腕をしっかり振る」「1日合計8,000歩を目指す(膝の痛みなどに注意)です。」
まとまった時間が取れなくても、10分間の運動を3回のように細切れで行っても効果はあります。
筋力トレーニングのメリット
筋肉は体内で最も多くの糖を消費する場所であり、筋肉量を増やすことは代謝の向上に直結します。
スクワットなどの大きな筋肉を鍛える種目は、効率よく血糖値を下げる体質を作ります。
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基礎代謝の向上:何もしなくても消費されるエネルギーが増え、太りにくくなる
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インスリン感受性の改善:筋肉が糖を取り込む力が強まり、インスリンが効きやすくなる
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加齢対策:将来的なフレイル(虚弱)を防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながる
本格的なジムに通わなくても、自宅での自重トレーニングで十分な効果が得られます。
週に2〜3回、無理のない範囲で筋肉に刺激を与える習慣を身につけましょう。
血糖値の改善に効果的な「スクワット」
筋肉量が増えると糖を消費しやすくなり、血糖値が上がりにくい体質になります。
特に下半身には全身の筋肉の約70%が集まっているため、効率よく鍛えるならスクワットが一番オススメです。
スクワット15回は、腹筋500回に匹敵すると言われるほど、エネルギー消費効率が高い運動です。
10回を1セットとして、3セットを目安にします。
膝を痛めないよう、「膝がつま先より前に出ないように・椅子に座るようにゆっくりお尻を下げる」動作を心がけましょう。
下半身の大きな筋肉を動かすことが、血糖値の改善の強力な武器になります。
糖尿病の方が運動を行う際の注意点
運動には大きなメリットがありますが、病状によっては逆に危険を伴う場合もあります。
特に合併症が進行している方や、特定の薬を服用している方は注意が必要です。
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メディカルチェック:運動を始める前に、必ず主治医に相談し許可を得る
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低血糖対策:薬の服用中に激しい運動をすると、血糖が下がりすぎる恐れがある
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足のケア:糖尿病の方は足の傷が治りにくいため、適切な靴を選び、ケガを防ぐ
体調が悪い時や、血圧が異常に高い時は、無理をせず休むことも自己管理の一つです。
「頑張りすぎない」ことが、運動療法を長続きさせるための最大の秘訣と言えるでしょう。
最後に
食事と運動はセットで取り組むことで、インスリンの効きを最大して血糖の安定につなげます。
ベジタブルファーストなど食べる順番と食材の質を意識して、有酸素運動と筋トレをバランスよく継続すること。
糖尿病の食事療法と運動療法を成功させる鍵は、特別なことではなく当たり前のことを丁寧に続けることにあります。
当院は西東京市西原町にある糖尿病内科・循環器内科の専門クリニックです。
駐車場も完備していますので、東久留米市エリアからもアクセル良好です。
紹介状も不要ですので、ぜひ一度ご相談ください。
