糖尿病患者さんのコレステロール値の目標は?
糖尿病の治療を受けている患者さんは、日々の血糖値やHbA1cの数値には気を配られていることと思います。
しかし糖尿病の治療において、血糖値と同じくらい重要視しなければならないのが「コレステロール値」です。
糖尿病があると血管が傷つきやすいため、一般的な基準よりも厳しい目標値が設定されています。
西東京市の「はたけやま内科クリニック」では、糖尿病内科専門医および循環器内科専門医の視点から、糖尿病患者さんが目指すべき具体的な数値とその理由を解説します。
糖尿病患者さんのコレステロールの目標
糖尿病患者さんの脂質管理において、最も重要な指標はLDLコレステロール、いわゆる「悪玉コレステロール」です。
例えば日本動脈硬化学会のガイドラインでは、糖尿病患者さんの管理目標は、糖尿病のない患者さんより厳格な治療目標を定めています。
LDLコレステロール(悪玉)の目標値
-
120mg/dL未満・・・一般的な糖尿病患者さんの基本目標です。
-
100mg/dL未満・・・喫煙習慣がある、あるいは糖尿病特有の合併がある。
-
70mg/dL未満・・・過去に心筋梗塞や狭心症などを起こしたことがある。
その他の脂質指標の目標値
-
HDLコレステロール(善玉)・・・40mg/dL以上が目標です。
-
トリグリセライド(中性脂肪)・・・空腹時で150mg/dL未満、随時(食後)で175mg/dL未満が目安です。
ここでは細かく数値を説明する場ではありませんので、詳しくは「脂質異常症」のページを参照してください。
なぜ糖尿病だと目標値が厳しくなるのか
糖尿病でない方の場合、LDLコレステロールの管理目標は140mg/dL未満とされることが多いです。
しかし、糖尿病患者さんはそれよりも低い120mg/dL、あるいは100mg/dL未満を求められます。これには明確な医学的理由があります。
糖尿病の状態では、血液中のブドウ糖が過剰となり、血管の壁が常にダメージを受けています。
傷ついた血管の壁にはコレステロールが入り込みやすく、プラークが蓄積します。この現象を動脈硬化と呼び、血管が狭くなったり詰まったりする原因となります。
糖尿病があるだけで、心筋梗塞や脳卒中の発症リスクは、糖尿病がない人に比べて数倍高まることが分かっています。
心血管病を予防するために:循環器専門医の視点
当院の院長は糖尿病内科専門医であると同時に循環器内科専門医の資格を持っています。
循環器内科の視点で診察していると、患者さんの中には糖尿病の治療は受けているのに、コレステロールの治療は受けていないことが多く非常に心配になります。
糖尿病の治療を行う目的は、単に数値を下げることではなく、将来の狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの「心血管病」を防ぐことにあります
一度、ご自身の血液検査の結果でコレステロール値を確認し、少しでも高いまま放置されている場合は主治医に相談することをお勧めします。
心臓の機能や血管の状態が気になる方は「循環器内科」のページも併せてご覧ください。
コレステロールについてのよくある質問
Q. 血糖値が正常になれば、コレステロールの薬はやめてもいいですか?
A. 血糖値の改善が脂質に良い影響を与えますので、コレステロールの値次第ではやめることができます。自己判断で中止すると急激に数値が上がり、動脈硬化のリスクが高まる可能性があるため、必ず主治医と相談してください。
Q. 卵は一日一個までと決めたほうが良いのでしょうか?
A. 現在はお肉の脂などの「飽和脂肪酸」の摂取制限の方が重要視されています。卵も適量であれば問題なく、必ず1個までという制限はありません。ただし、糖尿病がある方はコレステロールが上がりやすいので、食べ過ぎには注意し、全体のバランスを考えましょう。
Q. コレステロールのお薬に副作用はありますか?
A. どんなお薬にも副作用の可能性はあります。代表的なスタチン製剤では、稀に筋肉の痛み(横紋筋融解症)が出ることがありますが、頻度は非常に低いです。
Q. LDLは低ければ低いほど良いのですか?
A. 心血管疾患のリスクが非常に高い患者さんでは、LDLを70mg/dL以下、あるいはそれ以下に下げることが推奨される場合もあります。また、今のところコレステロールが下がりすぎることで悪い影響が出る可能性はありません。
当院は、西東京市にある糖尿病内科・循環器内科の専門クリニックです。糖尿病や循環器疾だけでなく、一般的な内科疾患も診察いたしますので、お気軽にご相談ください。
