脂質異常症
脂質異常症とは?
脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が正常な範囲を超えて多すぎたり、少なすぎたりする状態のことを言います。以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、脂質のバランス全体を見る必要があるため、「脂質異常症」と呼ばれるようになりました。(高コレステロール血症と呼ばれることもあります。)
主な脂質の種類
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LDLコレステロール(悪玉コレステロール):血管の壁にたまりやすく、動脈硬化の原因となります。
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HDLコレステロール(善玉コレステロール):余分なコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあります。
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中性脂肪(トリグリセリド):エネルギー源になりますが、多すぎると動脈硬化のリスクが上がります。
脂質異常症の種類
・高LDLコレステロール血症
・低HDLコレステロール血症
・高トリグリセリド血症(中性脂肪が多い)
これらのうち一つでも該当すれば、脂質異常症と診断されます。
脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行します。しかし、長期間放置すると血管の内側に脂質がたまり動脈硬化を引き起こします。動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながる可能性があります。
脂質異常症の原因は?
脂質異常症の原因は、食生活の乱れ(脂っこいもの・甘いもののとりすぎ)、運動不足、肥満、喫煙や過度の飲酒、遺伝、糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気など様々です。
脂質異常症の治療は?
治療の基本は生活習慣の改善です。バランスのとれた食事(野菜・魚・大豆製品中心)、適度な運動(ウォーキングなどを週に150分程度、1回30分以上を目安)、禁煙・節酒、適切な体重管理が基本となりますが、それでも改善しない場合は薬による治療が行われます。
脂質異常症は「サイレントキラー」とも呼ばれるほど、症状がないまま進行する病気です。健康診断で指摘されたら、放置せずに早めに生活を見直すことが大切です。日頃から食事や運動に気を配り、定期的な検査を受けることで、大きな病気を防ぐことができます。検診や人間ドックなどで異常を認めた際は、当院へご相談下さい。