妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは
妊娠糖尿病とは、もともと妊娠前は糖尿病ではなかった人(正常だった)が、妊娠に伴い糖尿病ほどではないけれども、血糖値が高くなることです。
症状は特にありませんが、血糖が高い状態を放っておくと、流産や早産の原因になったり、帝王切開が必要になったりと、様々な問題が起こる可能性が高くなります。
一般的に、「糖尿病は太っている人に多い」と考えられていますが、妊娠糖尿病は痩せている方も多いです。妊娠された方の8人に1人は妊娠糖尿病と言われます。
その原因は?
妊娠すると胎盤から、ヒト胎盤性ラクトゲン、プロゲステロン、コルチゾールなど血糖を上げる方向に働くホルモンが多くなります。
そして、妊娠が進むにつれて、これらのホルモンがますます増えていくので、妊娠糖尿病も起こりやすくなります。
一般的な血糖値の正常とされている範囲です。
|
・空腹時血糖値 100mg/dL未満 ・食後1時間後の血糖値 140mg/dL未満 ・HbA1c 5.5%未満 |
妊娠糖尿病の診断基準は、「75gブドウ糖負荷試験」を行い血糖値を確認し、どれか1項目でも当てはまれば妊娠糖尿病の診断となります。
|
・空腹時血糖値 92mg/dL以上 ・食後1時間の血糖値 180mg/dL以上 ・食後2時間の血糖値 153mg/dL以上 |
ちなみに「75gブドウ糖負荷試験」とは、とても甘い砂糖水のようなものを飲んで、30分後、60分後、120分後それぞれ採血を行う検査です。甘いものを摂取したあとの血糖値やインスリンの値を確認します。

合併症は?
多くは自覚症状がありませんが、血糖が高い状態が続くことで血管に過度なストレスがかかることで、出産に関連した様々な合併症のリスクが高くなります。
具体的には
|
お母さんへの影響 ・妊娠高血圧症、羊水量の異常(羊水過多、羊水過小)、早産、難産など 赤ちゃんへの影響 ・流産、巨大児、胎児発育不全、低血糖、多血症、電解質の異常など |
また、妊娠糖尿病のお母さんから生まれた赤ちゃんは、将来、肥満や糖尿病などの生活習慣病になりやすいといわれています。
妊娠糖尿病のなりやすい人
妊娠糖尿病になりやすい人の特徴です。
|
・妊娠前から肥満である ・両親、兄弟に糖尿病の人がいる ・以前に巨大児を出産したことがある ・流産、早産、死産の経験がある ・35歳以上の高齢出産である |
もちろん、当てはまるからといってすぐに心配する必要はありませんが、リスクが高いをいうことを知っておくことは非常に重要です。
妊娠糖尿病になった人の多くは、出産後に血糖が正常に戻ります。しかし、将来糖尿病になる可能性が、妊娠糖尿病のない人と比べておよそ7倍高いといわれています。
妊娠中の血糖目標は?
妊娠中の血糖値の目標です。
|
・空腹時 95mg/dL未満 ・食後1時間の血糖値 140mg/dL未満 ・食後2時間の血糖値 120mg/dL未満 |
血糖を上げないために、まずは1日の食事の回数を4〜6回に分けたり、食後に少しウォーキングをしたりして、血糖の上昇を防ぎます。
うまくいかない場合は、薬物治療となります。飲み薬は赤ちゃんに影響がある可能性が高く、基本的にインスリンの注射となります。インスリンの注射は赤ちゃんにも安全に使用できます。
まとめ
だれでも妊娠糖尿病になる可能性があり、不健康な食事や運動不足が原因というよりは、もともとインスリンの働きが弱いなど、もともとの体質的な影響が大きいです。
しっかりと妊娠糖尿病であることを確認し、それに合わせて十分に注意すれば、母児ともに健康な妊娠、出産を行えます。
「これから妊娠、出産を予定しているけど、妊娠糖尿病かどうか心配」などご心配なことがあれば、「はたけやま内科クリニック」へご相談ください。
