体重減少
意図せず体重が減ってしまったら?
「いつも通り食べているのに、体重が落ちてきた」「周りの人から痩せた?と心配された」「鏡を見て顔がこけたように感じる」 そのような経験はありませんか?
体重の減少は、身体の大切なサインかもしれません。ご自身の判断で放置してしまうと、隠れた重大な病気を見逃してしまう恐れがあります。
「受診すべき」体重減少の目安とは?
まず、ご自身の体重の変化を客観的にチェックしてみましょう。
医学的に「体重減少」として、注意が必要と考えられるのは「半年で体重が5%以上の減少」です。例えば、体重60kgの方であれば、半年で3kg以上の減少が目安です。
もし「特に生活を変えていない・いつもと同じ食事の量なのに、いつの間にかこれくらい体重が減っていた。」という場合は、一度内科を受診することをお勧めします。
なぜ体重が減るのか?4つの主なメカニズム
体重が減る仕組みは、単純な足し算・引き算です。
体が必要とするエネルギー(消費)に対して、取り込むエネルギー(摂取)が不足すると、体は蓄えていた脂肪や筋肉を燃焼して必要なエネルギーを補おうとします。そのプロセスは大きく4つに分けられます。
-
摂取エネルギーの不足
食欲そのものが落ちて、食べていない状態。 -
消化・吸収のトラブル
胃腸の病気などで、栄養が体に取り込まれない状態。 -
エネルギー消費の増大
体の中で激しい炎症や代謝の異常が起き、エネルギーが過剰に燃焼されている状態。 -
栄養の漏出
本来体に留まるべき栄養が、尿・便などと一緒に体外へ漏れ出してしまう状態。
体重減少を引き起こす「一般的な要因」
重大な病気を疑う前に、まずは日々の生活や体調の変化を振り返ってみましょう。以下のような要因でも体重減少は起こります。
-
精神的ストレス・心理的要因
心と体は密接につながっています。仕事のプレッシャーや家庭環境の変化など、強いストレスを感じると自律神経が乱れ、消化管の動きが悪くなったり、食欲が低下したりします。「お腹が空かない」「食べても味がしない」と感じる場合は、うつ病や適応障害などのメンタルヘルス面の影響が考えられます。
-
加齢による身体的変化(フレイル)
ご高齢の方の場合、加齢に伴う身体機能の低下が原因となることがあります。味覚・嗅覚の変化、 そしゃく・嚥下機能の低下、消化液の減少などにより食事量が減ったり、食事の内容に隔たりが出ることが影響してきます。
-
生活習慣と活動量の変化
無意識のうちに活動量が増えているケースです。例えば「引っ越しをして歩く機会が増えた」「仕事の内容が変わり営業など外回りが増えた」といった変化でも、摂取エネルギーが追いつかなければ体重は減少します。
-
お薬の副作用
忘れてはならいのがお薬の影響です。新しく飲み始めた薬や、長年服用している薬でも組み合わせによっては、副作用として食欲不振が現れることがあります。
当院でみる注意が必要な病気
一般的な要因に心当たりがない、あるいはご飯をしっかり食べているのに体重が減り続ける場合、以下のような重大な疾患が隠れている可能性があります。
糖尿病
「食べているのに痩せる」のが糖尿病の大きな特徴です。
血液中の糖をエネルギーに変える「インスリン」というホルモンが不足したり、働きが悪くなったりすると、細胞は糖を取り込めなくなります。 すると体は、糖の代わりに筋肉や脂肪を分解してエネルギーを補おうとします。さらに、血液中の過剰な糖を尿と一緒に出そうとするため尿が多くなり、脱水になります。
「喉が異常に渇く」「尿の回数が増えた」「いつも体がだるい」といった症状がある場合は、早急な検査が必要です。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
喉にある甲状腺からホルモンが過剰に出てしまう病気です。
甲状腺ホルモンは「体の代謝を上げるアクセル」のような役割を持っています。これが過剰になると、いつも走っているような状態になり、エネルギーを激しく消耗します。20代〜40代の女性に多い病気です。
「食欲が以前より増したのに、どんどん痩せていく」「動悸がする」「手が震える」「汗を異常にかく」「イライラしやすい」「性格が変わった気がする」といった症状があれば、すぐに医師に相談しましょう。
がん(悪性腫瘍)
がんは、体重減少の原因として最も忘れてはいけない病気です。
がん細胞は増殖するために、本来正常な組織に届くはずの栄養を大量に奪い取ります。 また、がんが進行すると「悪液質」と呼ばれ、体内で炎症反応が起こります。炎症反応は正常な代謝を妨げ、筋肉の分解などにより体重が減少します。
自覚症状がない段階でも、体重減少だけが唯一のサインであることも少なくありません。
当院での検査・診断の流れ
「何科に行けばいいかわからない」「何となく気になるので相談したい」という方は、まずは当院のような一般内科へご相談ください。体重減少が医学的に問題かどうか?を確認します。
具体的には、以下のステップで診察を進めます。
-
問診
いつから、どれくらい体重が減ったか。食欲はあるか。他に気になる症状はないか。など詳しく聞きます。
-
身体診察
眼をみて貧血がないか、舌や皮膚をみて脱水がないか、甲状腺を触って腫れていないか、など診察をして異常がないかを確認します。
-
血液検査・尿検査
まずは、血糖値やHbA1c、甲状腺ホルモン、炎症反応、肝臓・腎臓の機能、貧血、腫瘍マーカーなどを調べます。
- 画像検査
問診、診察後に、必要に応じてレントゲンやエコーを行います。CT、MRIが必要な場合は、連携病院にご紹介します。
最後に:一人で悩まずにご相談を
体重減少はよくある症状の一つです。しかし、「これくらいで大げさかな」と思わず、早めに原因を突き止めることが大切です。
少しでも不安を感じたり、気になることがありましたら、ぜひお気軽に「はたけやま内科クリニック」へご相談ください。
